2021.11.30
概要
看護師の採用試験でよく行われる「適性検査」。
どのような内容で行われ、何を見られているのか気になる方も多くいらっしゃることでしょう。
適性検査では主にその人の性格や人柄を見ています。
これだけで合否が決まるわけではありませんが、病院やクリニックが求める人材なのかの判断材料になる大切な検査です。
この記事では、よく看護師の採用試験で用いられる適性検査3種類や適性検査が行われる目的について、詳しくご紹介します。
<目次>
1,看護師採用試験での適性検査の種類は3つ
1-1.Y-G性格検査
1-2.クレペリン検査
1-3.SPI3
2,看護師の適性検査で確認されていること
3,看護師適性検査に落ちないための対策法
4,看護師適性検査で落ちることはある!?
4-1.適性検査だけでなく面接も合わせて人柄がチェックされている
5,「看護師の適性がない」と出た場合の対処法
5-1.自分を客観的に分析する
5-2.診療科によって向いている人の特徴は違う!
6,まとめ
1. 看護師採用試験での適性検査の種類は3つ
看護師の採用試験で実施されることがある適性検査。
看護師は患者様やご家族など、多くの人と関わる仕事です。
適性検査は、面接だけではわからない応募者の性格を知るために実施されます。
看護師の転職で行われる適性検査は、主に3種類です。
1-1.Y-G性格検査
「Y-G性格検査」は、約30分間で120の質問に答えるものです。
この検査では、性格の傾向や特性を客観的に判断することができます。
質問内容は「考えることはあっても悩むことはほとんどない」「自分と違うタイプの人とでも平気で話ができる」など、性格に関するものです。
これらの質問に対して、「はい」「いいえ」「どちらともいえない」の3択から選んでいきます。
120問の質問で、人の性格を形成する12個の因子(尺度)の強弱を測定します。
そこから、情緒安定性や社会適応性・活動性・主導性などを分析するのです。
1-2.クレペリン検査
「クレペリン検査」は、問題用紙に記載された一桁の数字を順番に足し算していくものです。
前半15分・後半15分、合計30分間で行われます。
全体の作業量や1分ごとの計算量・その変化・正答数などから、応募者の能力や性格・行動特性がわかるのです。
クレペリン検査では、主に次の3つの性格・行動面の特徴を分析できます。
・発動性:ものごとへの取りかかりや滑り出しの良し悪し
・可変性:ものごとを進めるにあたって気分や行動の変化の大きさ
・亢進性:ものごとを進めていく上での強さや勢いの強弱
それぞれの特徴の強弱にはメリットとデメリットがあります。
どの特徴が強いから良い、悪い、ではなく、職場が求める性格や特徴に合っているかが見られます。
1-3.SPI3
「SPI3」は、いろいろな角度からその人の適性を測定できる適性検査です。
一般企業の採用試験でも多く利用されています。
そのため多くのSPI3問題集が販売されており、対策もしやすいです。
SPI3には、大きく分けて「能力検査」と「性格検査」の2つがあります。
「能力検査」は、「言語分野」「非言語分野」に分かれています。
「言語分野」では語彙の問題や長文読解などが出題され、測定されるのは「言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解する」能力です。
「非言語分野」では資料やグラフの読み取りや計算問題など、数学的な問題が出題されます。
計算そのものの難易度は高くありませんが、一つずつ丁寧に解いているとどんどん時間がなくなっていくでしょう。
素早く解答を導くのにはコツは、参考書をもとに対策すれば簡単に習得できます。
「性格検査」は、職場で求められている人材に近い人材かどうかの判断に用いられます。
想定したイメージにあうよう答えを意図的に選んでいくこともできますが、自分本来の性格と異なるため一貫性を欠くことも。
必要以上に自分をよく見せようとせず、しっかり軸を定めて回答するようにしましょう。
2. 看護師の適性検査で確認されていること
看護師のスキルや経験だけではわからない、応募者の性格や特徴を知るために適性検査は行われています。
面接で人柄やその人の特徴はある程度チェックされていますが、それだけではわからない部分も多いです。
採用者側が求める人材に近いかどうかを知る判断材料として、適性検査を用いているのです。
3. 看護師適性検査に落ちないための対策法
看護師の採用時によく用いられる、3種類の適性検査をご紹介しました。
これらは看護師特有の検査ではなく、一般企業でも多く用いられています。
インターネットや書店で各適性検査の問題集や参考書が販売されています。
ぶっつけ本番で本来の力を発揮することはできません。
形式や内容を事前に把握しておくとよいでしょう。
特にクレペリン検査やSPI3はあらかじめ問題に触れておくと、当日落ち着いて検査を受けられます。
4. 看護師適性検査で落ちることはある!?
看護師の採用試験では、適性検査はあくまで補助的な意味合いで実施されることが多いです。
適性検査の結果のみで不採用になることはないと考えてよいでしょう。
しかし応募者が多数集中する大学病院や公立病院などでは、候補者を絞るために適性検査を利用していることも。
そのため適性検査で一定の基準を満たせない応募者は、それだけで落とされる可能性もあります。
本来の実力を遺憾なく発揮するため、適性検査の対策はしっかり行いましょう。
4-1.適性検査だけでなく面接も合わせて人柄がチェックされている
採用試験で一番重視されるのは人柄です。
もちろんスキルや知識も大切ですが、職場に馴染めないと判断されれば採用にこぎつけるのは難しいでしょう。
逆にスキルや知識不足であっても、人柄がよく入職後に十分成長が見込めそうな方なら採用したいと考える施設は多いです。
適性検査でその人の人柄や特徴を見ますが、それだけで判断しているわけではありません。
面接や採用試験に関係する担当者とのやりとりなど、各方面から応募者の人間性がチェックされています。
適性検査で志望先の病院やクリニックが求めている人物像に近づくことができても、実際の態度や言動との間で矛盾が生じると不信感につながります。
常に人柄を見られていると意識して行動しましょう。
5. 「看護師の適性がない」と出た場合の対処法
適性検査の結果、残念ながら「看護師の適性がない」と出てしまうこともあります。
そうした場合、いったいどうすればよいのでしょうか?
5-1.自分を客観的に分析する
適性検査で「看護師の適性がない」と出たからといって、看護師を辞めなくてはいけないわけではありません。
すでに看護師として働き、やりがいを感じている方なら全く問題ありません。
適性検査の結果に基づいて、自分を客観的に分析し対策を立てましょう。
例えば「メンタルが弱い」と出た方は、メンタルケアの方法を考えるとよいでしょう。
メンタル的にあまり負担がかからない職場を選ぶのもおすすめです。
前向きに捉え、自分を見つめ直すきっかけにしてください。
5-2.診療科によって向いている人の特徴は違う!
「看護師」としての職業を一括りに捉える方もいらっしゃいますが、実は診療科によって適する「看護師」は異なります。
ある診療科での仕事には向かない方が、ほかの診療科では適任である場合もあるのです。
自分はどの診療科が向いているのか考えるとよいでしょう。
例えば「外科」に向いている看護師は、要領よくテキパキと対応できる方です。
大怪我をして血を流しながら運ばれてくる患者様もいらっしゃいます。
そのような状況にも臆せず、冷静に対応できる方が向いているでしょう。
それに比べて「内科」の看護師には、辛抱強く温厚な性格の方が適しています。
糖尿病など長く付き合わなければいけない病気を抱える方を扱う内科。
患者様とも病気ともしっかり向き合い、辛抱強く対応することが必要になります。
また美容皮膚科や美容整形外科など、美容クリニックで求められる看護師も他と異なります。
特に重視されるのは患者様とのコミュニケーション能力。
美容クリニックでは、健康な患者様が高い治療費を払ってさらなる美を求めてやって来られます。
施術の技術はもちろんですが、患者様が気持ちよく安心して治療を受けられるようにしなければなりません。
細やかな気配りができ、患者様の悩みに寄り添える、カウンセリング能力の高い方が適しています。
診療科だけでなく、その病院が急性期なのか、慢性期なのか、ホスピスなのかによっても適性は異なります。
志望先の病院やクリニックでは適性がなかったからといって、看護師であること自体を否定されているとは思わないでください。
あなたを求めている職場が必ずあります。
6. まとめ
看護師の適性検査には主に、「Y-G性格検査」「クレペリン検査」「SPI3」の3種類があります。
それぞれ応募者の能力や人柄を知るために行われる検査です。
当日自分の能力を十分発揮するため、それぞれの検査について、どのような形式でどのような問題が出題されるのか事前にしっかり把握しておきましょう。
特にクレペリン検査やSPI3は、問題集や参考書を使って対策するのがおすすめです。
万が一「看護師の適性がない」と判断されたとしても、落ち込む必要も看護師を辞める必要もありません。
既に看護師として働いておりやりがいを感じている方なら、全く問題ないからです。
また診療科や病院の種類によっても、どのような看護師が適しているのかが異なってきます。
自分を客観的に分析し、どの職場が一番自分に合っているのか改めて考えてみてください。
自分を一番活かせる職場が必ずありますよ。
適している職場を自分で判断するのは難しい…とお考えの方は、転職サイトのキャリアアドバイザーに相談してみるものよいでしょう。
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