2021.11.30
概要
医療の最前線で働く看護師。
毎日激務で「もう少しのんびり働きたい」と考える方も多いでしょう。
看護師として働くなら「のんびり」なんて無理だろう。
このように諦めていませんか?
実は看護師でも、のんびり働ける職場はあるのです。
のんびり働ける条件もありますが、どのような施設でどの診療科で働くかにより変わります。
この記事では、看護師がのんびり働ける職場や問題点について詳しくご紹介しています。
<目次>
1,のんびり働きたいと思うことは悪いことではない!
2,看護師としてのんびり働ける職場の8つの条件
2-1.夜勤がない
2-2.重症患者がいない
2-3.仕事が少ない
2-4.人間関係が良好
2-5.残業が少ない
2-6.有給が取りやすい
2-7.休日が多い
2-8.高いスキルが不要
3,看護師がのんびり働ける職場9選!
3-1.美容クリニック
3-2.検診センター
3-3.特別養護老人ホーム
3-4.有料老人ホーム
3-5.デイサービス
3-6.訪問看護
3-7.保育園
3-8.産業看護師
3-9.派遣看護師
4,看護師としてのんびり働ける診療科6選!
4-1.眼科
4-2.皮膚科
4-3.耳鼻科
4-4.心療内科
4-5.精神科
4-6.整形外科
5,のんびり働ける職場の問題点6つ
5-1.ヒマすぎる
5-2.ほかの職場へ異動できなくなる
5-3.高い収入は望めない
5-4.スキルアップは難しい
5-5.モチベーションが下がりやすい
5-6.日勤のみの方が逆にキツイこともある
6,看護師がのんびり働ける職場へ転職するときに気をつけたいこと
6-1.転職を考えるなら慎重に
6-2.理想の働き方や生活をしっかり考える
7,まとめ
1. のんびり働きたいと思うことは悪いことではない!
看護師の仕事は激務です。
患者様へ点滴や注射の処置だけでなく、医師の診療や処置のサポート、病棟なら食事の介助や排泄物の処理など多岐に渡ります。
しかも一人の看護師が、何人もの患者様のケアをしなければなりません。
さらに、夜勤が入ると生活リズムにも影響が出ます。
ICUなど重症患者をケアする病棟ならば、常に緊張感が漂い、高いストレスにさらされることに。
毎日そのような環境に身をおいていると「もっとゆっくり働きたい」「忙しすぎて疲れた」と思うのは当然です。
「看護師の仕事は忙しくて辛いものだ!」と言い聞かせて、無理をしていませんか?
若くて体力のあるうちはよいかもしれません。
しかし結婚や出産・子育てなどさまざまなライフステージで、もう少しのんびり仕事ができる職場を求めるのは悪いことではありません。
看護師としてどう働きたいか、どのように生きていきたいかを考えた上で「もう少しのんびり看護師として働きたい」と感じたのなら、その条件に合う職場を探してみましょう。
2. 看護師としてのんびり働ける職場の8つの条件
転職先を探す中で「のんびり働けます」と明記してくれる求人は多くありません。
のんびり働けると書いてあっても、実際は忙しい職場だったケースもあります。
では、どこに注目すれば「のんびり働ける職場」だとわかるのでしょうか?
注目したい条件は8つです!
2-1.夜勤がない
夜勤がないことを転職の条件にあげる方は多いです。
夜勤があると、どうしても生活リズムが崩れがちになり、体力も必要になります。
逆に日勤のみだと、業務内容が多くて辛いと感じる方もいます。
そのような方は「夜勤専従」など、夜勤メインの働き方も選べます。
「夜勤なし」が自分にとって楽に働ける条件なのかは、それぞれで判断しましょう。
2-2.重症患者がいない
重症患者がいると、急変時に対応をしなければならなかったり、こまめなケアが必要になったりします。
そして何よりも「いつ急変するかわからない」と、常に緊張感を持って仕事をしなければなりません。
非常に高いストレスがかかります。
重症患者のいない病棟や、入院患者がいないクリニックなどを選びましょう。
2-3.仕事が少ない
夜勤や重症患者がいない職場でも、看護師一人ひとりの仕事量が多いと忙しくなります。
常に仕事量が多い上に、一人休みが出るとほかの人の仕事がさらに増えるため、休みも取りにくくなるのです。
仕事量が少ないかどうかは、十分な看護スタッフがいるかどうかで判断できます。
2-4.人間関係が良好
人間関係が良好かどうかは、働きやすい職場の条件として非常に大切です。
人間関係が良ければ、無意味な派閥争いや、誰かの顔色を窺いながら仕事をする必要がありません。
また困っていたら手を差し伸べてくれ、終わっていない仕事をみんなで行うことも可能でしょう。
さらに、人間関係がよくないと有給休暇も取得しにくくなります。
人間関係が良好かどうか、どこで判断できるか興味のある方は「看護師の人間関係は超重要!転職時に人間関係を見抜くコツ」をご覧ください。
2-5.残業が少ない
残業が少ないのも重要な条件です。
残業が多い職場は、勤務時間内に仕事が終わらないほど激務である可能性が高いです。
2-6.有給が取りやすい
有給休暇の取得率が高い職場は、比較的ゆっくりと仕事ができる場合が多いです。
人手が足りず、業務が忙しいと有給を取得しにくくなります。
また有給の取得率から、人間関係がよい職場かどうかもみることができます。
2-7.休日が多い
休日が多いかどうかも重要です。
クリニックにより土日も開院している場合がありますが、看護師はシフト制で勤務していることがほとんどです。
しっかりと休みが確保されているか確認しましょう。
また、年末年始やお盆などの休みがどのようになっているかも見るとよいです。
2-8.高いスキルが不要
専門的な病院では、その分野に関する非常に高いスキルを求められることがあります。
すでに持っているのであれば問題ありませんが、一から学ぶとなるととても大変です。
休日や勤務終了後に、勉強会や講習会に参加しなければならないこともあるでしょう。
3. 看護師がのんびり働ける職場9選!
のんびり働ける条件を8つご紹介してきました。
比較的、これらの条件を満たしてくれる職場を9つご紹介します!
3-1.美容クリニック
美容皮膚科や美容外科など美容クリニックは、夜勤がなく残業も少ない職場です。
来院する患者様も病気を抱える方ではなく「コンプレックスを克服したい」「きれいになりたい」と、美を追求したい患者様ばかりです。
美容皮膚科では、シミ・シワの除去や脱毛など肌に関する美容が主な業務です。
手術をすることはありませんが、レーザー治療や注射などの処置が多くなります。
美容外科はいわゆる「美容整形」が主な業務です。
手術介助や外科処置の補助がメインの仕事になります。
美容クリニックで働くメリットは「のんびり働ける」ことだけではありません。
夜勤がないのにも関わらず給与水準が高めです。
また指名料や化粧品の販売などでインセンティブを得られ、高収入を目指せます。
一方デメリットは、非常に高いコミュニケーションスキルや接遇スキルが求められることです。
また最新の美容機器の使い方を勉強しなくてはならないなど、一般病院とは異なるスキルが必要とされます。
美容クリニックへ転職を考えている方は、ぜひ「かんごりすた」をご利用ください。
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また専門のスタッフが全力でサポートするため、初めて転職される方もご安心ください。
興味がある方は「かんごりすた」へ一度ご相談ください。
3-2.検診センター
検診センターでは、人間ドックや健康診断に関わる検査や採血を行います。
また胃カメラや大腸カメラを行っている検診センターの場合、医師の補助も行います。
検診センターに来られる方は、基本的に健康な方ばかりのため、精神的負担は軽いです。
さらに完全予約制のため、飛び込みで患者様が増えることはありません。
また、高い看護スキルも必要ありません。
職場により、昼ごろまでに仕事が終了するケースもあるようです。
検診センターのデメリットは、施設の規模や季節により非常に忙しい時期があることです。
また視力や聴力検査など、初めは覚えなくてはならないこともあります。
しかし規模の大きい検診センターなら、視力検査や聴力検査は、視能訓練士や臨床検査技師が行っている場合もあります。
3-3.特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、65歳以上の介護が必要な方が入居しています。
主な仕事は入居者の健康管理や服薬管理などで、難しい処置はありません。
一人ひとりの利用者さんとゆっくり向き合えるため、やりがいを感じる方も多いです。
もちろんデメリットもあります。
高齢の介護が必要な方には、どうしても転倒リスクがつきまといます。
転倒しないように、常に気をつけなければなりません。
また処置がほとんどないため、看護スキルを磨きにくいです。
3-4.有料老人ホーム
有料老人ホームは、基本的に自立した入居者ばかりです。
健康チェックが主な仕事になります。
そのため看護スキルが必要な仕事はほとんどありません。
のんびりと利用者さんと触れ合うことができます。
この職場のデメリットは、急変時に冷静な判断力が求められることです。
高齢の方ばかりのため、元気に見えてもいつ急変するかわかりません。
何かあったときに冷静に対応できるスキルが必要です。
また24時間体制で看護師が常駐する施設もあります。
その場合は夜勤が必要になりますが、一般病院で行う夜勤と異なり、休める時間が長いため負担は少ないでしょう。
3-5.デイサービス
デイサービスでの看護師の業務は、健康チェックや入浴介助などさまざまです。
リハビリがメインの施設なら、理学療法士や作業療法士も在籍しているため、介護業務が少なく体力的に楽でしょう。
日勤のみで残業はなく、土日休みの施設がほとんどなため、のんびり働けます。
デメリットは、施設により担当する業務に差があることです。
また、さまざまな職種のスタッフと連携する必要があります。
3-6.訪問看護
訪問看護は利用者さんの自宅へ看護師がうかがい、バイタルチェックや点滴・服薬管理などを行う仕事です。
基本的に看護師一人で訪問するため、自分のペースで仕事を行えます。
訪問看護のデメリットは、すべて自分で判断しなければならないことです。
利用者さんの体調をみながら、必要ならば医師に連絡をして指示を仰がなければなりません。
自分一人で十分対応できる看護スキルと知識が必要になります。
また、訪問看護は車での移動が多いです。
都心部は徒歩や公共交通機関を利用することもありますが、それ以外では車やバイクで移動します。
そのため、運転免許とドライブテクニックが必要になります。
3-7.保育園
保育園にも常駐する看護師がいます。
主に子どもたちの健康管理や体調不良・怪我をしたときの対応が看護師の仕事です。
高度な医療行為はなく、元気いっぱいの子どもたちのそばで仕事ができるため、子ども好きの方にピッタリです!
デメリットは元気な子どもたちの対応をするため、比較的体力が必要なことです。
また看護師の業務より、保育業務が多くなることもあります。
業務内容をしっかりチェックしましょう。
3-8.産業看護師
産業看護師は、一般企業の医務室で仕事を行う看護師です。
社員の健康管理やケガの手当、メンタルチェックなどが主な仕事です。
企業に所属するため、その企業の福利厚生が使える場合が多いです。
また夜勤や残業がなく、しっかり休日も取得できます。
デメリットはメンタルに関わる病気を患う社員のケアもあるため、精神的に気を遣うケースがあることです。
また、看護のスキルアップは望めないでしょう。
企業で働く人のメンタルケアや生活習慣病の予防などに注目が高まり、産業看護師の求人も増えていますが、全体の看護師求人に比べると非常に少数です。
産業看護師として転職したいと考えている方は、気長に待つ必要があります。
3-9.派遣看護師
常勤の看護師としてではなく、派遣やアルバイトとして働く方法もあります。
派遣看護師は派遣会社に登録し、指示された施設で働く看護師です。
派遣先は主に老人ホームや施設など、医療施設でないことがほとんどです。
基本的に定時に退社でき、働く日数も週3日など選べるため、のんびり働けます。
ただし勤務日数が減る分、給料も下がるためご注意ください。
4. 看護師としてのんびり働ける診療科6選!
看護業務の忙しさは、診療科により大きく異なります。
ここからは比較的忙しくなく、のんびり働ける診療科をご紹介していきます!
4-1.眼科
眼科での主な仕事は視力や眼圧の測定です。
処置も多くなく、体力的にも精神的にものんびりできる仕事でしょう。
急変患者もいません。
手術も日帰りで行えるものが多く、手術介助や術後ケアも複雑ではありません。
しかし患者数が多い病院やクリニックは、やることが多く多忙になりがちです。
4-2.皮膚科
皮膚科の仕事は薬の塗布やガーゼの交換など、医師のサポートが主です。
急変や重症患者への処置はほとんどありません。
ただし患者数が多いクリニックやアレルギー症状・火傷による急患対応が必要になる可能があります。
4-3.耳鼻科
耳鼻科での仕事は、消毒や点滴・注射など簡単な処置が中心です。
高い看護スキルが求められることはあまりありません。
しかし赤ちゃんから高齢者の方まで幅広い年齢層の患者様に対応しなければならず、嫌がる子どもをなだめるのに苦労することも。
また大きな病院の耳鼻科は、食道や気道・頭頸部の手術を行うことがあります。
すると術後ケアなど業務内容が大幅に増え、忙しくなるため、ゆっくり働きたい方は耳鼻科のクリニックがおすすめです。
4-4.心療内科
心療内科はさまざまなストレスが原因で、身体に現れる症状をケアする診療科です。
看護師の業務は電話対応や受付・書類作成など事務作業がメインです。
採血を行うこともありますが、基本的に看護業務は少なめ。
救急対応はほとんどなく、落ち着いた雰囲気で仕事ができます。
しかし明るい雰囲気が好きな方や、看護業務をある程度行いたい方には不向きな診療科といえるでしょう。
4-5.精神科
精神科は心の症状や病気を専門とする診療科。
心の病気そのものの治療を行います。
精神科といえども、慢性期と急性期でまったく忙しさが異なります。
慢性期の精神科なら、症状が落ち着いた患者様が多いため、比較的ゆっくり働けます。
メインの仕事は患者様の話を聞くことです。
しかし感受性の高い方だと、患者様の話を聞いてしんどくなることも。
また医療処置のスキルを磨くのは難しいです。
人の話を聞くのが好きで、ある程度割り切って患者様と接することができる方におすすめの診療科です。
4-6.整形外科
整形外科の看護師の主な仕事は、検査やリハビリです。
病気を患っているわけではないため元気な患者様が多く、明るい雰囲気で働けます。
しかし大きな病院の整形外科は、手術が多く患者様の介助も必要です。
術後の合併症で急変する可能性もあるため、忙しいです。
クリニックであれば、重症患者が来ることはないため、明るい雰囲気で楽しく働きたい方におすすめの診療科です。
5. のんびり働ける職場の問題点6つ
のんびり働ける職場をご紹介してきましたが、よいことばかりではありません。
問題点を6つご紹介します。
5-1.ヒマすぎる
仕事が少なすぎてヒマすぎることがあります。
やることがなく、ヒマな時間をどう潰そうか悩む方も多いようです。
5-2.ほかの職場へ異動できなくなる
のんびりした雰囲気に身体が慣れてしまい、転職やほかの診療科へ異動できなくなることも…。
もう一度忙しい環境に身を置けと言われても、感覚的にも体力的にも無理だと考える方が多いです。
5-3.高い収入は望めない
一般病院で働く看護師の収入は、基本給・残業手当・夜勤手当・ボーナスなどで構成されています。
のんびり働ける職場では夜勤や残業がほとんどないため、収入が低くなることがほとんどです。
5-4.スキルアップは難しい
簡単な機械や検査の知識、採血・点滴などの処置スキルは上がるかもしれません。
しかし高い専門知識や技術を求められることが少ないため、スキルアップをしたい方には物足りなく感じるでしょう。
5-5.モチベーションが下がりやすい
のんびりできる職場の中には、看護業務よりほかの業務を行う時間の方が長いこともあります。
またヒマな時間が多いと「自分は必要なのだろうか?」と、モチベーションが下がる方もいます。
5-6.日勤のみの方が逆にキツイこともある
夜勤がなく、日勤のみの職場が多いですが、人によっては日勤のみで働く方が辛いと感じる方もいます。
自分にとってどのような働き方が適しているのか、しっかり考えましょう。
6. 看護師がのんびり働ける職場へ転職するときに気をつけたいこと
忙しさに耐えられず、のんびり働ける職場へ転職を考えている方もいるでしょう。
しかし転職を考えるときに気をつけたいことがあります。
6-1.転職を考えるなら慎重に
忙しい現状に嫌気がさして、とにかく転職したいと考えてはいませんか?
一度ゆっくり考えましょう。
心が疲れ切った状態で転職先を選ぶとキケンです!
新しい職場へ移ることは、人間関係も一から構築しなければなりませんし、仕事内容も新しく覚えなくてはなりません。
転職先が本当にあなたの希望を叶えてくれるかはわかりません。
転職以外にも、今の職場で他部署へ異動するのも現状を変える手段の一つです。
冷静に考えて、自分にとってどの方法が一番よいか考えてみましょう。
6-2.理想の働き方や生活をしっかり考える
ただ「のんびり働きたい」ではなく、自分はどのように働きたいのか、生活とのバランスをどのように取りたいのか考えてみましょう。
何も考えずに転職すると、看護師のやりがいが感じられず、すぐに辞めてしまうことになるかもしれません。
7. まとめ
忙しいイメージが強い看護師の仕事。
しかし、看護師としてのんびり働ける職場はいくつかあります。
ところが「のんびり働きたい」だけで職場を選ぶと後悔する可能性も。
どのように働きたいのか、生活とのバランスをどう取りたいのか見つめ直し、自分に最適な職場を見つけてください。