2024.05.28
概要
先輩・後輩との人間関係に悩んで、とか、職場の空気が悪すぎてもう辞めたい。
という理由で、転職を考えるナースは、非常に多いです。
各社のアンケートでも、人間関係の悩みは上位に入り、2~3人に1人は転職を考えるきっかけになったと答えたというデータもあります。
そもそも、
病院は職場の人間関係が悪くなりやすい条件が揃っていて、改善には常に努力を要する
と指摘する専門家もいます。
この記事では働きやすくするだけでなく、毎日楽しく生きていくために、実際に看護師が実践している、人間関係を良好に保つコツをご紹介します。
転職はまだ悩んでいる方も、転職先での人間関係に不安がある方も、この機会に読んでいただき、日々に繋げていただければと思います。
<目次>
1,病院は伏魔殿⁈人間関係が悪化しやすい原因とは
1-1.とにかく忙しい
1-2.暇なのもちょっと・・
1-3.まだまだ〝大奥〞感も
2,味方しか勝たん
2-1.身だしなみは基本のキ
2-2.〝 いい人〞になれなくてもいいけど、ルールは大事に
2-3.ちょっと待って、その言い方で大丈夫?
3,〝逃げ〞もアリだってば
3-1.本当にしんどいなら、逃げるに限る
3-2.逃走その1、異動
3-3.逃走その2、転職
4,新天地(転職先)にもとめるもの
4-1.評価制度
4-2.休日数・残業数
4-3.スタッフの人数と業務量
4-4.教育体制
5,まとめ
1. 病院は伏魔殿⁈人間関係が悪化しやすい原因とは
病院あるあるのひとつ、スタッフの人間関係の悪さ。離職防止のために、様々な研究がされてきました。
- 忙しすぎて心身に余裕がない
- スタッフ間の不公平感が強い
- まだまだ女性が多い職場である
- 仕事の責任、重圧が重すぎる
- 閉鎖的な空間である
といったことが主な理由として、よく指摘されています。
これらの原因と、それによって生まれる環境を考えてみましょう
1-1.とにかく忙しい
看護師は長年、ずっと人手不足です。
止まらない少子高齢化により、看護師ニーズに労働人数が追い付かないからです。
また、女性が多い職場で、ライフステージの変化による離職も多く、復職が難しいといった背景もありますし、日本の経済状況から、病院の経営が困難になっていることも原因です。
多忙になると、どうしても人は心身ともに余裕が少なくなります。
普段は何とも思わないようなことで、イライラしたり、ミスが増えたりします。
他のスタッフの小さなミスが目についてカチンときたり、ささいなミスが患者の状態を容易に急変させてしまう、というようなことが起こります。
ミスへの対応が必要になり、原因究明や対応策を講じ、、と業務がさらに増加します。
前向きに取り組めれば良いですが、ただでさえ余裕のない状況では難しいことも多く、他人を責めたり、陰口を言ったりと、マイナス行動に繋がる場合もあります。
慢性的に忙しいと、状況はよくて維持、悪ければどんどん悪化していくことになります。
一方で、忙しいのが一時のことであれば、心身の回復も期待できます。
余裕がでてくると、忙しい時ほど、お互いに思いやり協力し合って、一致団結する、ということも専門家は指摘しています。
特に看護職は、看護師同士はもちろんのこと、多職種とも連携しないと業務が行えないことが多いため、その傾向がより強いとの指摘もあります。
1-2.暇なのもちょっと・・
では、業務にゆとりがあって、休憩もたくさんとれる職場であれば、人間関係は悪くならないのでしょうか。
実はそうではありません。
患者が少なく、看護ケアにあてる時間が少なかったとしても、看護師として勤務時間中であることに変わりありません。
普段なかなか行えない点検業務や補充、清掃などのメンテナンス、勉強会、教育チェックリスト・・・
できることは、たくさんあります。
ですが、毎日勤務にゆとりがあると、そういった業務もなくなっていきます。
ナースコールを奪い合い、ケアを奪い合い、手のあいたスタッフはカンファレンス、からの歓談となり、何気ない会話が悪口ととられたり、後輩ばかり動いていて上はさぼっていると言われたり。
こういった状況も〝あるある〞の一つで、より、スタッフ同士が相手を思いやり、うまくコミュニケーションをとることが必要、とされる環境になりやすいのです。
1-3.まだまだ〝大奥〞感も
男性職員が増えてきましたが、看護師はまだまだ女性が多く、全体の9割が女性という統計もあります。
女性はホルモンの影響が心身に出やすく、体調・メンタルを一定に維持したり、安定させることが、難しいことが分かっています。
つまり職場内に常に、体調がいまいち優れないスタッフや、メンタルが安定していないスタッフがいることになります。
前述のとおり、本来であればトラブルにならないような、ささいなやり取りが、行き違いや誤解をまねき、トラブルになりやすくなってしまう環境にあります。
交代勤務が基本のため、常に同じメンバーがいるわけではないので、何か起こった場合の後からの状況把握が難しく、推測や憶測での話し合いが行われやすいからです。
さらに、看護師は独身・既婚・妊婦・産休育休中・育児中・介護中と、様々な事情を抱えながら、働くスタッフが複数います。
すべてのスタッフが同じように働けるわけではなく、そこに不公平感を感じるスタッフもいます。
こういった背景がトラブルをより、深刻化してしまうケースも珍しくなく、人間関係を悪化させやすくしてしまうのです。
2. 味方しか勝たん
『あの子は要領が良く甘え上手だから、先輩に可愛がられている。』
『同期は堂々としていて面倒見がいいから、いつも後輩に囲まれている』
なんて声を聞きます。
間違いではないですが、正解でもありません。
人間関係で苦労していなさそうな看護師ほど、人間関係を円滑にするために、実はいろいろと努力していることが多いのです。
ポイントはいくつかありますが、一番は〝味方をつくる〞ことです。
2-1.身だしなみは基本のキ
〝ひとは、最初の5秒で印象がほぼ決まる〞
〝性別関係なく身だしなみが整っている方が成約率が上がる〞
など、身だしなみがとても大切なことは、今や当たり前です。
看護師として考えてみても、初対面の患者の情報として、身だしなみを含め、外見からも様々な情報を収集していると思います。
同様に自分もまた、見られています。
『味方になってもらえるか、受け入れてもらえないか。』
ということに、身だしなみはとても重要な要素のひとつです。
特にプリセプター制度を採用している職場の、管理者や教育担当者は、プリセプターとプリセプティーの組み合わせを決めるために、外見はもちろん、ちょっとした言動や嗜好をよく観察しています。
ぼさぼさの髪、かさかさの肌、着崩されたユニフォームは、だらしない印象を与えてしまいますし、派手な化粧やネイルは、病院で看護師として働くことをきちんと理解できているのか、疑問をもたれます。
周りに気に入られるように、自分を押し殺してまで振る舞う必要はないですし、何もかも我慢する必要もありません。
ですが看護師は特に、一人ではできない仕事が多いこともあり、周囲とのコミュニケーション能力や、協調性が求められる場面も多いです。
誤解を受けないためにも、決められたルールの範囲内で、個性を出すようにしましょう。
その際、他人に不快感を与えたり、不潔感が出ないように注意すれば大丈夫です。
ルールから逸脱しなければ、髪色やヘアースタイル、聴診器やペンライトなど、こだわってもいいのです。
自分のモチベーションを維持し、生き生きと働けるなら、それはきっと、個性が光り魅力につながるでしょう。
2-2.〝 いい人〞になれなくてもいいけど、ルールは大事に
- 時間を守る
- 自己判断をせず、相談をする
- 適宜連絡をする
社会人に限らず、学校や習い事、部活動といったあらゆるシーンで必要とされていることです。
当たり前に感じるかもしれませんが、上記3点は新人と既存スタッフの間で起こる、トラブルの原因になることがよくあります。
遅刻や無断欠勤は論外ですが、
- 新人が早く出勤したが、どうしたらいいのかわからず、何もできずに30分過ごした
- 事前学習の状況と違うことがあったが、たいした違いではないと思い、相談せず自分ひとりでケアを行って、患者を怪我させてしまった
- プリセプターに報告しようと思ったが、会議中でできなかった。
翌日からも勤務帯が合わず、報告できないまま3日が経ち、他のスタッフがその間にミスに気付いてフォローした
などです。
『新人だから、途中入職だから、知らない・わからない・できない』
ことはまったく悪いことではありません。
むしろ当然のことです。
大事なことは、自分の知らないことがあるかもしれない、自分のミスで誰かを傷つけてしまうかもしれない、という意識を常にもつことです。
とはいっても、性格や物の考え方の相性は、人間同士どうしてもあります。
こんなこと聞いても大丈夫かなと思わず、安心して相談できる味方を、職場内につくりましょう。
プリセプターや同期を、そういう〝味方〞にしている看護師が多いです。
2-3. ちょっと待って、その言い方で大丈夫?
無理をする必要はありませんが、味方をたくさん作っておくと、いざという時助けてもらえたり、庇ってもらえたりします。
人間関係を良好に保っている看護師は、味方作りがうまい人が多いです。
コミュニケーションが苦手だから、自分には味方作りは無理だと思うかもしれません。
確かにコミュニケーション能力が高いにこしたことはありませんが、なんでもできる必要はありません。
言葉づかい(言葉選び)や、表情から見直すとよいでしょう。
特に、表情は意図的にできないこともありますが、言葉づかいは練習し意識すれば、すぐにでも実践できるので、オススメです。
- 昨日教えてもらったのでやってみたけど、できませんでした
- 先週やり方を教えてもらったけど、昨日〇〇さんに教えてもらったやり方と違いました
- 同期の〇〇は、もうこんなケアを一人でやってるそうです。いつになったらできますか
病院でよく見かける、トラブルになりがちな、指導を受けた側からの言葉をいくつかあげました。
悪意なく、単純にこういった言い方をしてしまうスタッフがいます。
どの言い方も悪意的にとることもできる、言葉選びです。
前述の通り、看護師は心身ともに余裕のないスタッフも、複数働いています。
新人だからと許されることもあれば、相手を腹立たせてしまうこともあります。
どうすれば、相手を不快にさせず伝えられるでしょうか。
参考例ですが、
- 昨日教わった通りにやったつもりなんですけど、うまくいかなくて・・。何を間違えたかわからなくて、もう一度教えてもらえませんか?
- 先週教わったやり方と違う方法を、昨日〇〇さんに教わりました。どっちもやりやすかったんですけど、使い分けとかありますか?
- 同期の〇〇はもうこんなケアを一人でやってるって聞いて、ちょっと焦っています。どうしたら早く成長できますか?
同じ内容でも、印象が変わると思います。
看護師は常に人手不足なので、基本的に新人さんが入ってくれると嬉しいし、早く馴染んで仕事にも慣れてもらいたい、と思っている現場がほとんどです。
事実と自分の正直な気持ち、相手への感謝や信頼を、具体的に伝えていくことが、とても大切です。
3.〝逃げ〞もアリだってば
病院は人間関係が悪くなりやすいこともあり、個人の努力だけではどうにもならないケースもあります。
こじれにこじれてしまったり、心身に著しく不調をきたすようなら、他の方法を検討しましょう。
3-1.本当にしんどいなら、逃げるに限る
病院の人間関係が悪くなりやすい原因は、先ほどもあげた通りで、業務過多や仕事の重圧、スタッフ間に生じる不公平感など、個人の努力で解決できない問題も複数あります。
またそういった環境下でこじれた人間関係は、修復が難しいことがわかっています。
体を壊したり、メンタルに深刻な影響が出るまで、無理して続ける必要はありません。
環境を変えることで、あっさり解決することもあるので、解決方法の一つと覚えておきましょう。
3-2.逃走その1、異動
同じ病院の中での部署異動です。
同病院内であれば、電子カルテや入院・退院システムなど、大まかなルールが同じなので、変化による負担が一番少ない方法です。
勤務年数が長くなってくると、キャリアアップのために、院内異動はいずれやってきます。
そのタイミングが少し早くなっただけ、と思えば抵抗感も和らぐかと思います。
3-3.逃走その2、転職
違う職場にうつる方法です。同じような病院を探してもいいし、思い切って興味のあった分野にうつるのもいいです。
資格取得を計画し、パートや夜勤専従など選ぶこともできます。
別コラム『看護師の働き方改革』でも述べましたが、現在看護師の活躍の場は拡大しています。
必ずしも、今いる職場が自分に一番合っているとは限りません。
これからのライフステージの変化などと併せて、将来を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
4. 新天地(転職先)にもとめるもの
転職するなら、人間関係の悪くなりにくい職場を選ぶこともできます。
どういった点に注目すれば、良いのでしょうか?
4-1.評価制度
看護師不足に拍車がかかり、看護師争奪戦が激化するにつれ、能力給を採用する病院が増えました。
能力給採用により、年功序列による不公平感を解消するのが目的です。
スタッフ間の不公平感は、人間関係悪化の要因の一つなので、能力給の施設の方が安心です。
ですが過渡期で、能力給採用の途中入職のスタッフの方が、古参のベテランスタッフより給与が高額になり、新たな不公平感が生まれているケースもあるため、その点には注意が必要です。
4-2.休日数・残業数
忙しすぎないか
希望休がある程度叶うかどうか
も大切です。
心身に余裕のない状態が続かないことや、適度にリフレッシュし、モチベーションが維持できるかどうかの目安になります。
4-3.スタッフの人数と業務量
個人の努力では解決できない部分のため、事前に確認しておきましょう。
スタッフの人数と業務量のバランスはどうか、偏りがないかどうかは人間関係が反映されやすいからです。
4-4.教育体制
プリセプター制度が人気です。
味方を作りやすく、いざという時に報告や相談がしやすいのが、人気の理由です。
デメリットがないわけではないですが、多くの看護師に支持され、たくさんの施設で採用されています。
もっと知りたい方は、別コラム『看護師の人間関係は超重要!転職時に人間関係を見抜くコツ』もどうぞ。
5. まとめ
看護師の人間関係を良好に保つために実践されていることは
- ルールを守る
- 味方をつくる
- 戦略的撤退をする
です。
今、人間関係でお困りの方も、そうではないけど心配な方も、ぜひ、ためしてみてください。
そして、もし転職を考えるなら、転職先の候補に美容クリニックをオススメします。
転職先に求められる条件の、ほとんどがそろっているのが、美容クリニックだからです。
そのため年々人気が増加し、転職が難しくなってきており、自力での転職は困難です。
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どのような疑問・お悩みでも大丈夫です。少しでも気になったら、ぜひお気軽にお尋ねください。
みなさまの転職が素敵なものとなるようお手伝いさせて頂けること、スタッフ一同こころよりお待ちしております。