2021.12.21
概要
看護師の転職先として、人気の美容クリニック。
その中のひとつが美容皮膚科です。
美容皮膚科で働く看護師に必要な資格はあるのでしょうか?
また、スキルアップや転職に有利な資格は?
特に美容皮膚科へ転職したいと考えている看護師の方は気になるところでしょう。
この記事では美容皮膚科の看護師に必要な資格と、転職を有利に進めるために、どのようなスキルを取得するとよいのか詳しくご紹介しています。
<目次>
1,美容皮膚科の看護師になるために必須の資格は?
2,美容皮膚科の看護師へ転職するために取得するとよい資格やスキル
2-1.語学力
2-2.エステティシャンなど美容系の資格
3,美容クリニックで働く美容皮膚科の看護師に求められるスキル
3-1.一般病院での臨床経験
3-2.注射や点滴などの処置スキル
3-3.接遇や接客スキル
3-4.営業スキル
4,美容皮膚科で働く看護師の仕事内容
4-1.美容皮膚科は肌がメイン
4-2.カウンセリングや診療の補助
5,美容皮膚科で看護師として働くメリット
5-1.夜勤がなく残業も少ない
5-2.給与水準が高い
5-3.自分磨きにも最適
5-4.患者様の生死に関わる事態が少ない
6,美容皮膚科で看護師として働くデメリット
6-1.一般病院の看護師に戻りにくい
6-2.営業スキルが求められる
6-3.接客・接遇面でクレームがきやすい
7,美容クリニックの美容皮膚科看護師が向いている人
7-1.美容に興味があり意識が高い
7-2.日勤中心で働きたい
7-3.患者様とコミュニケーションをとるのが好き
8,まとめ
1. 美容皮膚科の看護師になるために必須の資格は?
美容皮膚科で働きたいと考えている看護師も多いのではないでしょうか?
最近看護師の転職先として、美容皮膚科を含めた美容クリニックが人気です。
美容皮膚科で働くため、必須の資格は「看護師免許」のみです。
「准看護師免許」でも勤務できます。
それ以外に、特別な資格は必要ありません。
2. 美容皮膚科の看護師へ転職するために取得するとよい資格やスキル
必須の資格は「看護師免許」のみですが、転職する上で取得するとよい資格やスキルがあります。
また、入職してから取得を目指してもよいでしょう。
オススメの資格とスキルを2つご紹介します。
2-1.語学力
日本の美容医療は海外からも高い評価を受けています。
そのため海外から日本へ美容医療を受けるために、来日される患者様もいます。
美容皮膚科の看護師は、患者様の悩みを聞き出し、希望を叶えるために施術やアドバイスを提供しなければなりません。
海外の患者様にも対応できるよう、語学力を身につけるとよいでしょう。
英語の資格として有名なのがTOEIC。
650点以上取得していると、語学力があると採用者からの評価が高くなります。
しかし、TOEICはあくまで日常会話に関する語学力をテストするもの。
医療現場で実際によく使われる言葉とは少し異なります。
美容の専門知識を学びながら、仕事をしつつ身に付けてもよいでしょう。
2-2.エステティシャンなど美容系の資格
美容皮膚科の看護師は、美容医療の知識だけでなく、美容に関する情報も求められます。
カウンセリングや施術の中で、患者様から美容に関するアドバイスを求められることがあるためです。
そのためエステティシャンやアロマセラピストなど、美容系の資格を取得していると、美容の知識が豊富だとアピールできます。
看護師として働きながらスクールに通うのは難しいですが、最近は通信講座で取得できる資格も多数あります。
エステティシャンの資格講座では、具体的な手技だけでなく、カウンセリングや皮膚に関する基礎的な情報など美容医療に活かせる知識も学べます。
転職活動時までに資格取得ができなくても、勉強中であることをアピールすれば、採用担当者に好印象を残すことができます。
3. 美容クリニックで働く美容皮膚科の看護師に求められるスキル
美容皮膚科の看護師に求められるスキルは、一般病院で求められるものと少し異なります。
どのようなスキルが必要なのでしょうか?
主に4つのスキルについてご説明します。
3-1.一般病院での臨床経験
新卒で採用してくれるクリニックもありますが、多くは実務経験のある方を募集しています。
実務経験3年以上と条件を設けているところもあります。
美容皮膚科で急患を対応することはありませんが、処置中・処置後の患者様の変化を察知できる観察力や判断力は非常に重要です。
3-2.注射や点滴などの処置スキル
美容皮膚科での主な仕事は、ボトックス注射や点滴などの処置です。
腕だけでなく、顔に針を刺すこともあります。
そのため、少しのミスが大きなクレームにつながることに…。
一般病院よりも正確で高いスキルが求められます。
3-3.接遇や接客スキル
美容皮膚科など美容クリニックで特に重視されるのが、接遇や接客スキルです。
美容クリニックに来られる患者様は、病気を治療するためではなく、コンプレックスの克服や、美の追求を目的に来院されます。
治療費も一般病院で行われる保険診療ではなく、自由診療がメインです。
高額な医療費を払って、美容医療を受けに来られているため、求められる接遇スキルは非常に高いです。
言葉遣いだけでなく、接客態度や気配りまで、一般病院より高度なレベルのものを提供しなければなりません。
患者様が何を求められているのか、どうすれば喜んでいただけるか、患者様の要望をくみ取る能力も大切です。
3-4.営業スキル
美容皮膚科の看護師の仕事は、看護業務だけではありません。
患者様の希望を叶えられる施術コースをおすすめしたり、化粧品や美容液・サプリメントの販売を行ったりします。
患者様に購入していただけるように、営業スキルも必要になります。
4. 美容皮膚科で働く看護師の仕事内容
実際に美容皮膚科で働く、看護師の仕事はどのようなものなのでしょうか?
美容皮膚科によく似た「美容外科」と比べながらご説明していきます。
4-1.美容皮膚科は肌がメイン
美容皮膚科は「肌」を美しくすることにフォーカスを当てています。
よく混合される「美容外科」とは異なり、基本的に手術は行いません。
光を照射したり、点滴や注射を行ったり、薬の外用・内服などにより美しい肌になるための治療をします。
看護師は点滴や注射などの処置をしたり、機械を使って医療脱毛やシミ・ほくろを消すレーザー治療を行ったりする業務が中心です。
4-2.カウンセリングや診療の補助
美容皮膚科では患者様の希望を叶えるために「カウンセリング」を行います。
このカウンセリングも、看護師の大切な仕事のひとつです。
患者様がどのようになりたいのか要望を聞き出し、それに合った施術コースを提案します。
このカウンセリングが不十分だと、患者様に満足のいく医療を提供できなかったり、提案した施術コースや治療がマッチしなかったりするため、患者様から不信感を抱かれる可能性も。
また患者様の多くがコンプレックスを持ち、美容医療を受けようと勇気を出して来院されています。
わからないことが多く、不安もあるでしょう。
看護師は患者様の気持ちに寄り添い、不安を拭い去ることも重要な役目。
安心して美容クリニックに通っていただけるように、患者様のサポートを行います。
また、忙しい医師の診療のサポートも看護師の仕事。
多くの患者様が来られるため、医師が次に何を求めてくるのか先読みして補助しなければなりません。
ほかにも美容クリニックによっては、受付や予約管理・化粧品やサプリメントの商品販売など、看護業務以外の仕事もあります。
5. 美容皮膚科で看護師として働くメリット
人気が高まっている美容皮膚科の看護師。
なぜ人気なのでしょうか?
美容皮膚科で働くメリットを4つご紹介します。
5-1.夜勤がなく残業も少ない
美容皮膚科では、基本的に夜勤業務がありません。
残業も少なく、ほとんど定時で帰れます。
美容クリニックに来られる患者様は、ほとんどが予約されて来院します。
急患が入ることはほぼないため、勤務時間内に業務を終えられるのです。
5-2.給与水準が高い
夜勤手当の有無は、看護師の給料に大きな影響を与えています。
夜勤がないクリニックの多くは、一般病院に比べて給料が安い傾向にあるのです。
しかし美容皮膚科は夜勤がないにもかかわらず、給与水準が高いです。
夜勤のある一般病院と同等か、それ以上の年収を得ている看護師もいます。
美容皮膚科では通常の給料に加えて、患者様から指名を受けたり、治療コースの契約成立や商品販売を行ったりすることでインセンティブがもらえるケースがあります。
頑張って働いた分が実際に給料として反映されるため、働く看護師のモチベーションも高いです。
5-3.自分磨きにも最適
美容皮膚科で働いていると、最新の美容医療に接することができます。
患者様へ提供しつつ、医療スタッフ同士で施術を体験することも可能です。
また患者様へ美容に関するアドバイスをすることもあるため、美容の知識を積極的に取り入れなければなりません。
仕事の一環として美容の勉強ができるため、自分磨きにもつなげられます。
さらに治療や院内で販売している化粧品などを、職員割引で購入できるクリニックもあります。
5-4.患者様の生死に関わる事態が少ない
一般病院では、患者様が急変したり、生死にかかわる事態に直面したりすることもあるでしょう。
中には精神的に大きなダメージを受ける方もいます。
また重症患者を多く抱えている病棟では、常に緊張感が高くピリピリした雰囲気になりがちです。
知らず知らずのうちに、ストレスにさらされている可能性も。
美容皮膚科に重症患者が来られることはありません。
病気を抱えて来られる患者様はほとんどいないため、元気な患者様を見送ることができます。
6. 美容皮膚科で看護師として働くデメリット
美容皮膚科で働くことは、メリットばかりではありません。
ここからはデメリットについてお話していきます。
6-1.一般病院の看護師に戻りにくい
美容皮膚科へ転職した方は、一般病院に戻らないことが多いです。
日勤で働く生活リズムに慣れてしまうため、夜勤のある生活がしにくくなるからです。
また一般病院では、病気を持つ患者様のケアが中心となります。
改めて患者様のケアができるのか不安に感じる方もいます。
そのため一度、美容皮膚科へ転職した方は一般病院に戻りにくくなるのです。
6-2.営業スキルが求められる
美容皮膚科での仕事は、看護業務だけでなく、化粧品などの商品販売も含まれています。
ノルマではありませんが、売り上げ目標として一定の水準が設定されているクリニックも多いです。
そのため看護スキルのほかに、営業スキルも求められます。
患者様のために商品をおすすめするのですが、「営業」「商品販売」「売り上げ」などの言葉に違和感を覚える看護師もいるでしょう。
純粋に患者様に医療のみを提供したいと考えている方に、美容皮膚科での仕事はしっくりこないかもしれません。
6-3.接客・接遇面でクレームがきやすい
患者様は高い治療費を払って、美容医療を受けに来られています。
また美容医療は顔や肌など、ほかの方の目に映る部分の治療です。
少しのミスも許されず、患者様から高い技術と満足のいくサービスが求められます。
一般病院ではクレームになることがないミスでも、美容皮膚科では大きなクレームにつながることも。
最悪の場合、クリニックの評判が悪くなることもあるのです。
患者様に対する高いコミュニケーション能力と、接遇スキルが求められます。
7. 美容クリニックの美容皮膚科看護師が向いている人
美容皮膚科で働く看護師についてお話してきました。
転職先として非常に人気のある美容クリニックですが、一般病院と異なる点も多数あります。
どのような方が美容皮膚科に向いているのかご説明します。
7-1.美容に興味があり意識が高い
美容皮膚科で働くために、もっとも大切なことは「美容が好きな気持ち」です。
美容医療はまだまだ進化の途中。
新しい治療方法や手技が今後も確立されていくでしょう。
最新の医療を提供するため、看護師も日々知識のアップデートが必要です。
新しいものを積極的に学ぼうとする姿勢が大切になります。
また美容クリニックに来られる患者様は、非常に美意識が高いです。
スタッフの身なりや姿勢もしっかりチェックされています。
美容皮膚科の看護師は、美人でないとなれないわけではありません。
美容に対して積極的に努力をしているか、意識をしているかが問われます。
さらに施術やカウンセリングの中で、美容に関するアドバイスを求められることも多いです。
患者様に合った最適なアドバイスをするためには、一定以上の美容の知識がないと難しいでしょう。
美容が好きで、積極的に学び、努力する姿勢のある方が、美容皮膚科の看護師に向いています。
7-2.日勤中心で働きたい
子どもが小さかったり、介護をしなければならなかったり、どうしても夜勤が難しい方もいるでしょう。
もちろん夜勤のある職場でも、シフトを調整してもらい日勤のみで働くこともできます。
しかし夜勤手当がつかないため、年収が下がったり、夜勤をしているスタッフに申し訳ない気持ちになったりすることも。
美容皮膚科は夜勤がなく、基本的に残業がないため、日勤専従で働きたい方にピッタリな職場です。
夜勤がなくても給与水準が高いため、年収が下がる不安も少ないはずです。
日勤中心でしっかり働き、それなりの収入を確保したい方におすすめです。
7-3.患者様とコミュニケーションをとるのが好き
美容皮膚科では、一人ひとりの患者様に「おもてなし」の心と気遣いを持って接することが求められます。
処置をする際にも「腕をみさせていただきますね」「今回はこちらの注射をさせていただきます」など、患者様を気遣った声かけが必要です。
またカウンセリングでは患者様も気づいていない、心の奥にある悩みを引き出さなくてはなりません。
一般病院で働いていたとき以上に、一人ひとりの患者様と丁寧にコミュニケーションを取る必要があります。
患者様とお話しながら、コミュニケーションをとるのが好きな方にピッタリな仕事だといえるでしょう。
8. まとめ
美容皮膚科の看護師として勤めるため、「看護師免許」以外に必要な資格はありません。
しかし語学力のスキルや、エステティシャンなど美容系の資格は、転職時に大きなアピール材料になります。
また入職してから取得を目指しても、スキルアップにつながります。
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